ドキュメント作成ソフトとしてのExcel

会社に入って実感したんだけど、Excelはドキュメント作成ツールとしてよく使われている(少なくともうちの会社では)。"表計算ソフト"として考えるとすごく気持ち悪いけれど、実際現場ではよく使われている。仕事では、とにかくあるものでドキュメントを作らなくてはいけないから、気持ち悪いとかにこだわってられない(多分)。実際、なんとか作れてしまうから問題はない(多分)。でも、気持ち悪い。適切なソフトを使えばいいのに、と思う。

Excelでいろんなドキュメントを作る人たち(自分を含む)、気持ち悪い。そう思っていた。

ところが、最近、Excelを使った書類をいろいろ作ったり見たりしてるうちに、悪いのは使う方ではなくて、ソフトなんじゃないかなと思うようになった。

仕事では、いろいろな枠にはまらないドキュメントを作る必要があって、それぞれに対してそれぞれ用のソフトを使うというのは、使う方の負担が大きいし、いちいちソフトを用意するのも現実的ではない。手元にある道具でなんとかこなせれば、それでよいと思う(データの再利用性に関してはあまりよいとは言えないけど...)。だから、いろいろな種類のドキュメントをExcelで作るのは(好きかどうかは別として)、まあしょうがないというか、そうなんだね、と思う。

で、それだけならExcelは悪くないんだけど、問題は、いろいろなものを作るには不便すぎるところ。

Excelに似たような表計算ソフトに、Macで使えるNumbersというソフトがある。このソフトは、一つのシートの中に複数の表を自在に配置できる事が大きな特徴。Excelで作られるドキュメントによくあるのだけど、一つのシートの中で上の方の表のセルと下の方の表のセルの幅を変えるために、どちらかのセルを結合して見た目の調整をする。これはNumbersでは、それぞれの表を作って並べればよい。下の方に更に別の分割幅の表が追加されても、全然怖くない。

また、印刷範囲の調整も、紙の上にオブジェクトを置いていくような感覚でページを構成するので簡単。Excelでドキュメントを作っていて、これ、Numbersだったらとっても感覚的にできて楽なのになぁ、と思う。(同時に、Windows用のNumbersがあればよかったのになぁ、とも思う。)

Excelは、紙に出力するという事が目的のソフトではなくて、表のなかでデータをあれこれするのが一番の目的だと思う。そのためのソフトだから、そもそも配置などを調節して出力するのは苦手なんだね。Numbersは、そのような表計算ソフトの概念を打ちやぶって(既にあったかもしれないけど)、表を、シートの中の一つのオブジェクトとして扱えるようにした。今のExcelの使われ方を見ていれば、そのような概念が必要だということは割と簡単に分かるのではないのかと思うのだけど。既に築いてしまった"表計算ソフト Excel"という路線の上では、なかなか難しいのかな。

Excelを様々な目的のために使うという事は一部で批判され続けているけれど、逆に、Excelは様々な目的のために使うにはちょっと不自由だ(Numbersみたいになって)、という批判をする流れにはならないのかな。

ここまで書くうちに思いついた理想は、"ドキュメント作成ソフト"が、文章も表も図も全部一つのソフトでまかなう、という世界。

まあ、当面は今まで通りのExcelなんだろうけど。何十年後もこのままでは、ちょっと悲しい。

駄文おわり。